安田記念
安田記念(GI)
東京競馬場 | 芝1600m |
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スタート地点 | 向正面の2コーナー付近 |
最初のコーナーまでの距離 | 約600m |
最後の直線距離 | 526m |
脚質 | 差し馬が有利 |
枠順 | 有利・不利はほとんどない |
最後の直線が長く逃げ馬には不利。
中距離が走れるくらいのスタミナの要求されるコース。
- 安田記念とは日本中央競馬会(JRA)が東京競馬場の芝1600mで
施行する中央競馬の重賞(GI)競走である。
正賞は農林水産大臣賞・日本馬主協会連合会会長賞・
アジアマイルチャレンジ賞。
競走名は日本中央競馬会初代理事長・安田伊左衛門の功績を
称えることから付けられている。
開催地 | 東京競馬場 |
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格付け | GI |
1着賞金 | 1億円 |
賞金総額 | 1億9000万円 |
距離 | 芝1600m |
出走条件 | サラブレッド系3歳以上 |
負担重量 | 定量(3歳54kg、4歳以上58kg、牝馬2kg減) |
第1回施行日 | 1951年7月1日 |
- 安田記念(GI)概要
1951年、競馬法の制定や東京優駿大競走(日本ダービー)の創設など日本競馬の発展に尽力した日本中央競馬会初代理事長・安田伊左衛門の功績を称え4歳(現3歳)以上のハンデキャップの重賞競走安田賞として創設、第1回は東京競馬場の芝1600mで施行された。1951年当時としては古馬の重賞は全て2000m以上で開催されており、古馬マイルの重賞はこの安田賞が初となる。
1958年、安田伊左衛門が5月18日に死去したため名称を現在の「安田記念」に変更、1960年からは施行距離を芝1800mに変更したが1962年には芝1600mに戻した。1967年は東京競馬場の改修工事により中山競馬場の芝外回り1600mで施行、1972年は流行性の馬インフルエンザの影響により1ヶ月遅れの7月23日に施行した。
1984年からはグレード制施行に伴い最高位のGIに格付けすると共に施行時期をオークスの前週に移設されたことにより出走資格を5歳(現4歳)以上に負担重量を定量に変更、更に混合競走に指定され外国産馬の出走が可能になり春のマイル最強馬決定戦として位置付けられ同年に新設された秋のマイルチャンピオンシップとマイル最高峰の双璧を成す競走として施行される事になる。
1993年からは国際競走に指定され外国調教馬が出走可能になり更に1995年からは指定競走に指定、地方所属馬が出走可能になり1996年からは施行時期を日本ダービーの翌週に移設されたことにより再び出走資格を4歳(現3歳)以上に変更、2004年からは国際セリ名簿基準作成委員会により国際グレードのGIに格付け、2005年からは香港ジョッキークラブとの提携でアジアマイルチャレンジを構成した。
創設当初はそれほど重要視された重賞競走ではなく、ハンデキャップ競走として施行されていた。しかし1983年までの日本競馬界はステイヤー優遇の時代でありマイラー、スプリンターにとってはあまりにも不遇の時代であった。1600m以下の重賞は番組形態も整理されておらず、重賞がポツポツと年間カレンダーに点在する状況だった。その中でも春季の締め、東京競馬春開催最終日のメインレースとして行われる当競走は当時の一線級のマイラー、スプリンターが揃う名物レースであり、当時としては八大競走以外の数少ない全国発売レースの1つであった。だがそのようなレースでありながらも、1983年の当競走の優勝賞金は3200万円であり、古馬1600m以下の重賞では最高金額ではあるものの、他の長距離重賞に比べれば安めに設定されていた。この事からも当時の短距離馬の冷遇ぶりは伺える。
だが1984年のグレード制施行により短距離路線の番組形態が整理されGIに格付けされたことに伴い、優勝賞金を5000万円に大幅増額。名実ともに日本の春のマイル最強馬決定戦となる。その後、国際レース化され2004年には国際グレードのGIに格付け、2005年からはアジアマイルチャレンジを構成したため香港マイルやドバイデューティーフリーと並ぶアジアのマイル最強馬決定戦として定着。日本で最も歴史と伝統があり、最も格の高いマイル重賞として世界的にも知られる事になる。国内のマイラーにとっては最高栄誉の一戦として君臨する事になった。現在では、「春の東京GI5連戦」のラストを飾るレースである。
秋の天皇賞や秋華賞、エリザベス女王杯が直近にあるマイルチャンピオンシップと違い春季は中距離のGIレースが無く6月下旬開催の宝塚記念は梅雨時である事を嫌い、中長距離馬であっても安田記念を春の最大目標とする陣営が多くなってきている。故に短距離馬が中心メンバーとなるマイルチャンピオンシップとは変わり、短距離 - 中長距離の一線級の豪華メンバーが一堂に集う事が多い。そのためJRAのGIレースの中でも大きい注目を集めるレースの1つである。売上規模も有馬記念、日本ダービー、天皇賞、ジャパンカップ、皐月賞に次ぐ規模であり例年200億円前後を売り上げる。前述のように、アジアマイルチャレンジの最終戦となった事により世界的にも注目されるレースとなった。
直線の長い東京コースで行われるマイルGIということもありスピードだけでなく相応のスタミナも要求される。歴代の優勝馬にもオグリキャップやウオッカなど、中長距離の重賞の優勝経験を持つ馬が多い。秋の同じ距離で行われるマイルチャンピオンシップとは対照的に1番人気がかなり不振であることも特徴的で、1992年以降馬番連勝複式馬券で万馬券が9回飛び出すなどかなり波乱の様相が出ている。
またGIに格付けされて以降、1996年に3歳馬が出走可能な条件になっているが、東京優駿を最大目標にする陣営が多いことから、当競走への出走自体が少なく、これまで1997年のスピードワールドの3着が最高着順となっている。(GI格付け前は3歳馬の優勝馬もいた)
農林水産大臣賞が正賞となっているため、正式名称は農林水産省賞典安田記念と表記される。
出走資格はサラ系3歳(旧4歳)以上のJRA所属の競走馬及び本競走に出走登録した外国調教馬(9頭まで)。地方所属馬はマイラーズカップ・京王杯スプリングカップ・ニュージーランドトロフィー・高松宮記念・NHKマイルカップのいずれかの競走で1着・2着の入賞馬及び谷川岳ステークス・葵ステークス(2009年まで)・橘ステークス(2010年から)の優勝馬のみが出走権(優先出走権ではない)で出走できる。
負担重量は定量で3歳は54kg、4歳以上は58kg、牝馬は2kg減である。
2011年度現在の総額賞金は1億9000万円で1着賞金1億円、2着賞金4000万円、3着賞金2500万円、4着賞金1500万円、5着賞金1000万円と定められている。
現在の優勝レイの配色は、赤色地に金色文字となっている。
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